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2010年6月22日
訪問看護ステーションを設立〜ニュートラルなステーションをめざして〜
西井拓也 ⁄ 精神科看護 2005年11月号掲載
■7:病院の辞め方
 動きだすには、ステーションの要になる友人がいま勤めている病院を辞める段取りが必要になります。友人は病院に対して、あまりよい印象をもっていませんでした。これは仕事をしている多くの人が思ってしまいがちなことです。
 私自身もサラリーマン時代には、会社に対して不満をもっていました。でも、何の不満もない組織は存在しません。何の不満もない上司もこの世に存在しないということに気がつかなければ、どんな病院、会社であってもケンカ別れになってしまいます。
 私は彼に「いまの病院に対して感謝の意をもって退職してほしい」といいました。一一時でも給料をもらっていた所に対しては、恩と感謝を感じてほしいのです。仕事の環境に対して不満をもってしまうと、感謝の気持ちを忘れてしまいがちです。「いろいろなことがありましたが、たくさんのことを勉強できました。ありがとうございます」という気持ちをもって退職することができれば、未来も明るくなります。「給料をもらいながら勉強させてもらっていた」という気持ちが、本人の意識向上につながるのだと思います。
 結局、夏のボーナス時期に退職することになりましたが、彼はボーナスの辞退を決心しました。彼の口から「ボーナスなんて、申し訳なくてもらえません」という言葉を聞いたとき・彼の決心と覚悟を感じました。
 ステーションの設立が、現職からの逃避ではない状態にしておかなければなりません。「いまの職場も悪くないな、もう少しいてもよかったかな」と思えるのが、ベストな退職だと思います。日本精神看護技術協会主催の訪問看護ステーション開設支援セミナーでも、辞め方が重要であるというお話がありました。1つの大切なステップがよい形でクリアーできたと思います。これはステーシヨン設立には大きなポイントだと思います。

■8:立ち上げ準備の中での苦労・悩み
1)スタッフの確保

 ステーション設立には、いくつものクリアーすべき課題や要件があります。地域性や組織のスタイルによって問題となる部分は違ってきますが、ハントン訪問看護ステーションの場合、一番頭を悩ませたのが看護スタッフの確保でした。許認可を受けるためには、看護師が常勤換算で2.5名必要です。これは会社でいえば、資本金の感覚に似た基準です。いまは1円でも有限会社も株式会社も作れますが、会社の本質として資本金はやはり必要です。有限会社で300万円、株式会社で1、000万円ぐらいの資金がなければ、現実問題として事業を始めることは困難です。
 許認可の要件には、訪問看護ステーションを作るためには、看護師が最低でも3名くらいいなければ一定基準の看護サービスができないという意味合いがあるのだと思います。しかし、この基準を満たすことがなかなかむずかしいのです。
 私たちのステーション設立話に、周囲の看護師は非常に興味をもってくれました。でも、人材募集となると話は別です。看護師という就職先に困らない有資格者であれば、リスクを負って立ち上げの段階から冒険をしようとは考えないのが普通だと思います。許認可を出す側の「基準を設けなければならない」という理屈は理解できますが、人員面の規制をもう少し緩和できないものだろうかと考えてしまいます。お金をかけて一般募集をしても、訪問看護のスタッフは集まらないといわれています。訪問看護はいまの仕事よりも大変になって、給与などの待遇面は下がってしまうからです。訪問看護そのものに魅力を感じてやってみたいと思う看護師は多くても、実現させるにはいくつもの壁が立ちはだかり、なかなかスムーズにはいかないようです。
 ハントン訪問看護ステーションでは、幸運にもよいタイミングで適切な人員を確保することができましたが、ギリギリまで不安な思いにさせられたことが、とても印象に残っています。
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