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 〜サービス業から得る看護のヒント〜
第5回 叱られ帳
西井拓也 ⁄ 精神科看護 2006年8月号掲載
私は「叱られたら負け。叱られなかったら勝ち」と勝手にルールを決めて仕事をするようにしました。
叱られすぎて、ちょっとおかしくなっていたのです。

叱られることはすべてメモを取りたい。そこで胸のポケットに入るミニノートを使ってみました。
ほんの些細なことでも、チーフに叱られるたびに、ノートを取り出してメモするのです。

叱る側からすると、表面上だけで反省した顔をされるよりも、その場でメモを取ってくれたほうがうれしいものです。叱る方もエネルギーを使うのですから、そのエネルギーに応えなければいけません。

”叱られ帳”のいいところは、クヨクヨとひきずらないですむことです。
こっぴどく叱られると、何時間も憂鬱な気分で過ごすことになったりします。
反発する気持ちもわいてきます。でも”叱られ帳”に書くことで、スッキリそのことを完結することができます。

たとえば「あの件、報告してないでしょ?忘れてるよ」とやさしく指摘されても
叱られ帳には「○○の件に関して報告を忘れない」と少し厳しいニュアンスで書きます。

「いつまで休憩に入ってるの!」と感情的に叱られても
「休憩は状況を見て、早めにあがる」と冷静に書き込みます。

「だって休憩時間は労働者の正当な権利だし、○○さんだって時間が過ぎてもなかなか休憩から戻らないことだって何度もあるのに……」と考えてはいけません。

他人のことはどうでもいいのです。叱られ帳には自分のことだけを客観的に書くことで、いじけたり、クヨクヨしないですみます。

叱られ帳は、チーフとの真剣勝負のスコア表のつもりで使っていました。
仕事に入る前に必ず確認するのですが、仕事が終わったら1勝6敗だったりします。

叱られ帳に書くことが多すぎて、自分でもうんざりしてきたので、反対側からは褒められたことを書いていくことにしたのです。叱られ帳で気持ちを引き締めて、褒められ帳で自分を慰めるという具合です。

そして「チーフはどうして同時にいろいろなことが把握できるんだろう」と考えました。
仕事を盗むつもりでサービス残業をしたりしていました。

もし”叱られ帳”を使っていなければ、チーフを見るたびに胃が痛くなる思いをしているだけでした。
”叱られ帳”があったから、向かっていくことができたのです。

叱られることも、褒められることも、結局は受けとめる側の気持ちしだいです。
気をつけなければいけないのは、叱られ帳は”怒られ帳”ではないということです。
怒られることと叱られることをごっちゃにしてしまってはいけません。

もし、あなたの上司が感情的になる人であれば、怒られたことと叱られたことを分別しましょう。
そして叱られたことだけを”叱られ帳”に書き込むようにしましょう。
そうすることで”怒られること”も確実に減っていきます。

”褒められ帳”は自分に自信をもつために書き込みます。
”叱られ帳”はクヨクヨしないために書き込むのです。クヨクヨしない人は、成長していける人なのです。
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