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 〜サービス業から得る看護のヒント〜
第2回 存在感
西井拓也 ⁄ 精神科看護 2006年5月号掲載
気配を消すにはもう1つの方法があります。
正しい姿勢でじっと立ち、自分の気配を消そうと呼吸を整える方法です。

ただ立っているだけでは余計に目立ってしまうので、練習が必要ですが、私はこれでマネキンと間違えられたことがあります。
お客様の視界には入っているのですが、私が立っていることに気がつかないのです。

これができると、反対に存在感を出すこともできるようになります。
気配を感じさせたいときは、肺と目の奥に力をこめて、自分のオーラを発信します。

この“気配のコントロ一ル”は飲食店で練習ができます。メニューを選んでいるときは気配を消し、注文するときは気配を発します。
呼び出しボタンを押さないで店員を呼ぶようにすると上達します。

存在感に注意してお店に行くと、サービスのいい店と悪い店がはっきりとわかるようになります。

サービスの悪い店では、呼び出しボタンを押しても店員はなかなかやってきません。サービスのよいお店は、ウェイターを呼ぼうと目を上げたときには、店員がコチラに気づいてくれています。

別に見張っていたわけではないのに、スッと目があうのです。サービスの良いお店は、スマートにオーダーできる気分も味わっていただこうと考えているのです。

お客様は「すいませ〜ん」と大きな声で店員を呼ぶことが恥ずかしいのです。大きな声で呼んでるのに店員が気づいてくれないと、もっと恥ずかしくなります。チラっと視線を向けただけで、こちらに気づいてくれると、テレパシーで通じたような気がしてうれしくなります。

つまり、お客の側も自分の存在感を感じてもらえることがうれしいのです。「私というお客がココにいますよ」という部分を感じてもらって、大切にされたいのです。

評判のいい病院は、患者さんの存在感に敏感だと聞きます。
診察を待たされているときでも「あと10分くらいですけど、もう少し待てますか?」と声をかけて気遣ってもらえると、患者は自分のことが忘れられているわけではないと安心できます。

お客は大切にされているかどうかに、とても敏感です。
表面上は上品なもてなしをされていても、気持ちが感じられなければ、それがマニュアルだとスグにバレてしまいます。

よいサービスができる人は、自分の存在感をコントロールすることができるし、相手の存在感を大切にすることができるのです。
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