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 〜サービス業から得る看護のヒント〜
第1回 はじめに/サービスと数値
西井拓也 ⁄ 精神科看護 2006年4月号掲載


連載1回目は、サービスマンとビジネスマンの違いについてです。
この2つを混同してしまうのはよくあることです。サービス業で働く人でも、ビジネス感覚とサービス精神を混乱している人が少なくありません。

バリバリのビジネス業であるにもかかわらず「われわれサービス業として提供していくのは……」と謳っている会社が多いので、当事者でも混乱してしまうのです。

この2つについてのキーワードは「数値」です。
・ビジネスマンは、効率や利益などの数字を考えて仕事をする人のことです。
・サービスマンは、効率や利益などの数字を考えないで仕事をする人のことです。

仕事の質を考えるときに大切なのは、この2つを区別してとらえることです。
売上が10万円上がったというのは数値化できますが、「お客様が満足してくださった」というのは数値化できません。この数値化できない部分に対して努力していくのがサービスなのです。

顧客満足度を上げようと、スタッフの接遇向上に取り組んだとしても、項目を細かく設定して、数値評価した段階で既にそれはサービスではなくなっています。

こういった数値化できるものはサービスではなくてマニュアルなのです。10人の利用者に対して同じことをするのであれば、それはマニュアルやシステムです。

数値化がいけないのではありません。
ビジネス業の部分とサービス業の部分とを切り離して考えることが大切なのです。

一般的な企業は、ビジネスマンだけを評価してしまいがちです。
会社はサービスマンのサービスを数値化できないからです。

会社は公平性を考えて評価基準を一生懸命数値化しようとします。
スタッフも評価基準に合わせて頑張ろうとするので、肝心のサービスがおろそかになってしまうのです。

看護でいえば、数値化できる部分は厳密にいえば看護ではないかもしれません。血圧や血糖値は数値化できますが、それは医師の領域なのかもしれません。

「職業がトラックの運送業の患者さん。時間が勝負の仕事だからご飯もかっ込んでしまう習慣がある。それでは消化器官に負担をかけてしまうから、ゆっくりと食事をしてもらうようにして……」という部分はどう頑張っても数値化できません。

そういう意味では、看護とサービス業のはたらきかけは、それほどベクトルが違っていないと思えてきます。

ビジネスマンは数字を追いますが、数字を追うと犠牲になるのはお客様です。お客様はビジネスマンのノルマを果たすために買い物するわけではあり ません。

サービスマンには誰が得をするという発想がありません。
サービスマンには、思いやりや愛情が根底にあるのです。
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