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 〜サービス業から得る看護のヒント〜
第1回 はじめに/サービスと数値
西井拓也 ⁄ 精神科看護 2006年4月号掲載




私は紳士服の接客販売をしていました。
紳士服の販売というのは、少し特殊性があるサービス業です。

お客様の大部分は仕事で使うスーツを、必要だからと仕方なく買いに来られます。そして店員が近寄ると、たいていのお客様は接客を嫌がられます。

つまり基本的には、みな不機嫌なお客様なのです。
このような環境で接客という仕事を続けることで、サービスの感性が磨かれました。接客の難しさや面白さを勉強することができたのは、私にとって貴重な経験となりました。

その接客業の醍醐味を紹介すると「接客業は精神科そのものですね」といわれたことがあります。それは知人の精神科医の言葉でした。外来患者を前にした精神科医には、接客業と同じような部分で気を使うのだそうです。

たとえば「声がけ」がその1つです。
精神科医は目の前の患者を短時間で観察し、適切な声がけをしなければなりません。この第一声をはずすと、患者は心を閉ざしてしまう可能性が高くなります。そしてその後の治療につなげていくことが困難になってしまいます。

店員がお客様にアプローチするときも、適切な声がけをしなければなりません。ただでさえ嫌われる店員は、第一声に失敗すると、お客様は心を閉ざしてしまい、その後のよいサービスに繋げていくことができなくなってしまうのです。
腕組みして「うるさい店だなあ」といいながら帰ってしまうお客様には何もできません。

どちらも、相手の僅かな眼の動きや仕草・服装などを観察し、その人が何を求めているのかを察する能力が必要なのです。

接客業と、医療は別の分野です。
それぞれの分野で深く追求しようとすると、世界は限定されていくイメージがあります。「これが私の専門領域」とテリトリーが絞り込まれるイメージがあります。

でも、本当の意味で専門性を追求すると、世界は広がっていきます。
狭まりながら広がっていく感じです。

精神医療を追求していくと、サービス業にまで広がります。
サービスを深く考えていくと、精神医療との共通点が出てきます。

現在「医療はサービス業である」といわれる中で、今回の連載を通して私の考える「サービスとは何か」を1つの提案として書いていくことにしました。

看護や医療の現場で、サービス業との重なりや共通点を感じていただければ素敵だと思います。
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